9.プラットフォーム戦略
この記事は、日本経済新聞社から出版している“MOT[技術経営]入門(延岡健太郎著)”を読んで、自分なりに整理し、意見を述べたものです。
本書では、プラットフォーム戦略をこのように定義しております。
「商品ライン間の技術的な共通化を戦略的かつシステマティックに行い、複数の商品開発プロジェクトを統合的に取り扱う戦略」
目的は、
①他の商品開発プロジェクトで開発された技術や部品システムをうまく共通化し、資源を効果的に活用するため。
②複数の商品開発プロジェクト間での共同活動によって、長期的な視野から企業の組織能力を効果的に蓄積するため。
キーワードは「共通化」です。技術や設計を共通化し、複数の商品開発へ展開することによって、品質向上、コスト削減、開発期間短縮を狙っています。そして、共通化したために、何度もコア技術をさまざまな商品へ応用することによって、開発体制を含めた組織能力も鍛えられます。
受験勉強や資格勉強では、何度も練習問題を解いて体得してしまえば、素早く正確に問題を解くことができます。すなわち、基本となる解法を応用して様々な問題を解いて自分を鍛えます。まさにこのプラットフォーム戦略は同じだと思います。
そして、組織を形成しているものは、ヒトです。一人一人が今までの人生の中で受験勉強や資格の勉強を何度かしてきていると思います。部活動の練習でも良いですよね。そういう学習能力の集まりが会社の組織能力に影響すると考えます。よって、組織体制や制度をしっかりと決めたところで、個々の能力や学習能力を鍛えない限り、組織能力は上がってこないです。
では、一人一人の学習能力を鍛えるにはどうしたらよいのでしょうか?それは、「できる人」が「できない人」に教えることですね。要は、OJT(On the Job Training)です。OJTの仕組みと運用がしっかりしている会社は、このプラットフォーム戦略もうまくできているでしょう。
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